「ミスター・ノーバディ」「パーフェクト・ホスト」

ミスター・ノーバディヒューマントラストシネマ渋谷にて。

時は未来。不老不死を手に入れた人類は、最後の老衰死を迎える人類であるニモの死の瞬間に注目していた。医師や記者の問いかけに対し、彼はゆっくりと過去の出来事を語りだす、、、てなお話。

パラレルワールド物である今作はそれぞれが同時進行したり、先の出来事を描いてから過去に戻ったりとかなり込み入った展開で進むものの、それぞれの違いがかなり明確なので思ったほど混乱することは無かった。これはなかなか凄いことだよ。
パラレルそれぞれの物語も軽い扱いをせず、どれも主人公が生きたいと願うようなしっかりした物語性を持っていて、引き込まれるものがあった。
オチに関しては「おっとそうくるか」と思ったけど、チトもやもやっとした感があったかなぁ。昔、スピリッツに載ってた某大学物語漫画とオチのつけ方はやや近いかな。こっちの方がもう1歩先にいってるけどさ。

役者は皆良かったんだけど、少年期のニモ役のトビー・レグボ、少女期のアンナ役のジュノー・テンプルの存在感が大きかった。今作のベストカップルはこの2人かな。物語もドラマチックだしね。ジュノーの眉毛はものすこく好み。

田舎町から未来都市、果ては火星まで登場する壮大なスケールの今作。パラレル物をここまで直球で描いた作品はなかなか無いと思うので、この手のが好きな人には是非観て欲しい。

ちなみに今作のパラレルは
・両親が離婚する! A:母親についていく B:父親についていく
・海辺で出会った少女 A:憎まれ口をきく B:カナズチだと告白する
・パーティーで出会った少女に告白 A:振られてあきらめる B:あきらめない
などなどで、どんどん平行世界が作られていく。えらいこっちゃ。

パンフはB5変形4C1C。カラーページは全部写真、1Cにテキストを詰め込む形の割り切り方で、メリハリが付いててページの流れはいい感じ。主演女優3人の鼎談や監督インタビュー、プロダクションノートなど、テキストは無駄なく抑えているので買って損なし。




「パーフェクト・ホスト 悪夢の晩餐会」みんな大好き銀座シネパトスにて。

銀行強盗をして逃走中の主人公は高級住宅街を訪れる。休憩しようと一軒の邸宅を訪れ、家主をだましてまんまと入り込んだのだったが、、、てなお話。

物語は最後まで観た結果としてはいろいろ無理がありすぎる設定で厳しい感はあるんだけど、まぁそれはよし。んなこたぁいいんだよ、この映画は。

一番の見所は邸宅の主人であるおっさん。彼はもー言っちゃうとネタバレになるんで書けないんだけど、いいキャラなんだわ。おっさんの○○コンガダンスや○○セックスシーンを観れただけでもパトスに足を運んだ甲斐はある!

ちょっと前に似た?テーマの香港映画があったんだけど、これはまた違ったアプローチ、てか全然別物ではあるが、で表現していてちょっと感心した。

パトス単館公開という事実を理解してる人にならお薦めできる。パトスっ子向きの地味にグッと来る映画だ。

パンフはB54C1C8ページで500円。プレスシートに毛が生えたようなボリュームではあるけれど、作っただけでも評価するよ、うんうん。センターページのレイアウトはベタだけど嫌いじゃない。