「ゲンスブールと女たち」

渋谷ル・シネマにて。

ゲンスブールの幼少期から、数々の浮名を流したのち病に倒れ、最後のパートナーであるバンブーと出会う頃までを描いた作品。

ストーリーはゲンスブールがいかに天才でもてたかってのをたっぷり味わえた分、彼の心の内面までは描ききれてないかなぁって印象。面白い演出として彼の分身的かぶりもの?が登場して心の対話的表現をしてるんだけど、あまり機能してなかった気がする。
とはいえ彼の人生を追うだけでも十分ドラマチックで、フランス・ギャルブリジット・バルドージェーン・バーキンなどなど、様々な美女と関係を持ちながら、次々と名曲を作り出していく彼の才能をミュージカル的に描いた演出は、観ているだけで楽しい気分になれた。

彼の見た目じゃない、才能によるすざまじいもてっぷりは観ていて感心して笑っちゃうほどなので、フランス映画や音楽に興味が無くても観て損は無いかと。油断すと彼のささやく言葉をどこかで使いたくなって困るかもよ。2時間オーバーでちょっと長い気がするけどね。

パンフはA4変形4C1C。テキストはゲンスブールに対する想いがあふれているものの、映画に関するキャストインタビューやプロダクションノート的な要素が無いのでイマイチかなぁ。彼に関してならネットで調べればいくらでもコメントは読めるからね。バンド・デジネ作家でもある監督のイラストが入ってるのはうれしいんだけどさ。